PowerBI導入後に業務効率が向上した事例をご紹介!
Power BIの概要
「Power BI」とは、セルフサービスBIと呼ばれる分析ツールのことで、データ分析が欠かせない現代ビジネスにおいて、Power BIは必要不可欠なツールといえます。
ここでは、Power BIの概要を「Power BIとは?」「Power BIの開発における歴史」「Power BIが求められる背景」「Power BIの価格」の4つに分けて紹介します。
Power BIとは?
Power BIとは、Microsoft社が提供を行っているセルフサービスBIのことです。BIとはデータを軸にビジネス意思決定を行うために使用されるプロセスやテクノロジー、ツール、アプリケーションを指します。
Power BIにはデータの処理・作成・実行をはじめ、レポート作成や社内での情報共有、定期的なレポート更新など、さまざまな機能が搭載されています。
また、従来のBIツールとは違い、プログラミングを必要としません。プログラミングの専門知識がない人でも、手軽にデータ分析やレポート作成が行えることから、導入企業も増えています。
Power BIの開発における歴史
Power BIの開発における歴史を見ていきましょう。
Power BIはExcelのアドイン機能として開発され、現在でもExcelのアドインとして提供されています。アドインとはソフトウェアを拡張するために追加プログラムのことで、Power BIはExcelベースで開発されたツールです。
Excelのアドインとして開発されたPower BIですが、ITの進歩にともなって進化を続けた結果、現在のPower BI DesktopやPower BI Serviceとして利用されるようになりました。
Power BIが求められる背景
Power BIが求められる大きな理由は、企業が取り扱うべきデータが膨大になったことです。インターネットやSNSなどが普及した現代では、日々新しいデータが大量に誕生し、消費者の購買行動も変化しています。また、加速度的に変化するビジネス環境で生き残るには、精度の高い意思決定を素早く行わなければなりません。そこで、膨大なデータを迅速に分析するためのツールとして登場したのが、BIツールでした
当初、BIツールはプログラミングなどの専門知識が必要な場合が多く、使いこなせないという問題点がありました。そこで注目を集めているのが、専門知識がない人でも手軽に活用できるセルフサービスBIです。
Power BIの価格
Power BIは1ユーザーの月額課金制が基本です。コースは大きく2つに分かれます。
一つ目は、「Power BI Pro」です。1ユーザーあたり月額1,090円(税抜)で利用できます。二つ目は「Power BI Premium」で、ユーザーごとに契約するか、容量で契約するかの2タイプから選ぶことができます。ユーザーごとの契約の場合、月額2,170円/1ユーザー(税抜)で、ユーザー数無制限の容量タイプは月額543,030円(税抜)です。
「Power BI Premium」を契約する場合、利用者数が250人を超えるのであれば容量タイプのほうがおすすめといえるでしょう。
Power BIを無料で利用できる範囲は?
Power BIを無料で利用できる範囲について紹介します。2017年6月のサービス変更にともない、無料版ではレポート共有や共同編集作業が利用できなくなりました。
本契約前にレポート共有や共同編集作業をためしてみたい場合は、全ての機能を試せる「Power BI Pro」60日間試用を活用するとよいでしょう。
Power BIが持つ2つの特長
Power BIおもな特長は、「プログラミングの知識がなくても利用可能」「さまざまなデータに接続できる」の2つです。
Power BIの特長を最大限活用することであらゆるデータを共有できるようになるので、作業が簡略化されます。また、誰でも簡単かつ迅速にデータ分析ができようになるため、人件費や学習コストも抑えられるでしょう。
プログラミングの知識がなくても利用可能
前述のとおり、Power BIはプログラミングの知識がなくても利用可能です。
一般的にデータ分析では、データの抽出などが必要なため多少のプログラミング知識が欠かせません。そのため、プログラミング知識のある社員が社内にいない場合、研修や学習の時間を確保せねばならず、覚えるまでに時間がかかります。
しかしPower BIの場合、パソコンが使える環境さえあればすぐに作業に取り掛かることができるのです。
さまざまなデータに接続できる
Power BIはさまざまなデータに接続できます。社内に蓄積しているデータや、クラウド上にあるデータなどと接続し、1つのデータベースとして共有可能です。社内におけるデータ共有がタイムリーに行われることによって、部署間の連携がスムーズになり、効率の良いデータ分析や迅速な意思決定も可能となるでしょう。
また前述のとおり、Power BIはもともとExcelのアドインとして開発されたため、Excelデータの読み込みや過去データの流用も可能です。
PowerBIのシステム構成
PowerBIのシステム構成は、デスクトップアプリケーションで構成されるシステムとクラウドベースで構成されるシステムに分かれており、システムごとに利用するシーンが異なります。ここでは、PowerBIのシステム構成として、個人用の「Power BI Desktop」と組織用の「Power BI Service」の2つを紹介します。
個人用の「Power BI Desktop」
まずは、PowerBIの個人用ともいえる「Power BI Desktop」を紹介します。
データの結合、変換、抽出、レポート設計ができるデスクトップアプリケーションで、ExcelやWordなどのMicrosoft officeを普段から利用しているならば、問題なく利用できるでしょう
前述のとおり、「Power BI Desktop」には60日間のお試し期間があるので、実際に使い心地を試してみるのもおすすめです。
組織用の「Power BI Service」
組織用としておすすめなのは、「Power BI Service」です。こちらはクラウドベースのシステム構成となっており、共同やレポート編集などをサポートしてくれます。
Excelのアドインやモバイルアプリタイプも用意されており、Microsoft社のツールですので、ExcelやWordなどの製品とも連携しやすい点も魅力です。
Power BIの導入事例5選
Power BIはさまざまな企業に導入されており、活用方法も多様ですが、ここでは「JTBコミュニケーションデザイン」「パーソルキャリア」「鹿島建設」「コニカミノルタ」「花王」の導入事例を紹介します。
優良企業の実際の活用事例から、導入や活用のヒントを得ていきましょう。
事例1. JTBコミュニケーションデザイン
株式会社JTBコミュニケーションデザインでは、レポート基盤にPower BIを活用しています。Power BIを導入することによって、デザインや集計の見直しといった作業効率の悪さが解消され、サービスの大幅な向上に成功しました。
現在はMicrosoft社の各種サービスとPower BIを併用しながら、サービスの刷新に向けて取り組んでいます。
事例2. パーソルキャリア
さまざまな人材サービスを手掛ける パーソナルキャリア株式会社では、2016年に営業支援システムとして「Microsoft Dynamics 365 Customer Service」を導入。その後、機能保管とレポート作成を目的としてPower BIが導入されました。
現在では、Power BIによって日々自動更新されるレポートが社内で約800種類公開されており、日々の営業活動に活用されています。
事例3. 鹿島建設
鹿島建設株式会社は、アナログ管理からの脱却プロジェクトを推進している総合建設会社です。プロジェクトの過程で、鹿島建設の鹿田氏はプログラミングができなくても簡単にアプリ開発できるローコード開発ツールに辿り着きました。ローコード開発ツールとは、Power BIの基盤となる、データ収集から解析・予測をローコーディングで開発するプラットフォームのことです。
Microsoftパートナーからのコンサルティングの末、鹿田氏は独力で「内装工事進捗管理システム」を開発。今では情報共有が円滑になり、作業進捗の把握や管理の無駄を省くことに成功しました。
事例4. コニカミノルタ
カメラ製造や産業材料などビジネス領域が多岐にわたるコニカミノルタ株式会社は、クラウド化をいち早く推進してきた企業です。
2017年のテレワーク運用開始移行や業務効率化を進めていく過程で、問い合わせ業務の集約化と自動化を目指し「問い合わせ対応チャットボット」の開発をスタート。そこでチャットボットの基盤として採用したのがMicrosoft社の技術で、Power BIの分析によって短期間でAIの精度向上を実現させました。
事例5. 花王
石鹸製品などでおなじみ花王株式会社は、Microsoftの技術であるAzureとPower BI を組み合わせることによって、効率的にデータ集計と分析を行っています。
AzureとPower BIの組み合わせによって、膨大なデータを効率よくかつ迅速に分析できるようになり、データ分析における基盤構築を実現させました。また、作業効率が上がったことで、分析にかかるコストの低減にも成功しています。
BIツールの導入に迷ったらPower BIを検討しよう
Power BIは従来のBIツールとは異なり、ExcelやWordなどのMicrosoft製品と同様に、プログラミング知識がなくても直感的に操作できます。また、個人や組織の意向に合わせたシステム構成も準備されており、その自由度の高さも大きな魅力です。
「BIツールを導入したいけれど使いこなせるのか心配」という企業や、「すでにBIツールを導入しているけれど思うように使いこなせていない」「一部の人しか使えない」といった悩みを抱えている企業にとって、導入の検討に値するBIツールといえるでしょう。