DX(デジタルトランスフォーメーション)を簡単に解説
最近よく耳にする「DX(Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション)」とは何かを簡単に説明していきます。
DXとは? |
DXとは「AI、IoT、ビッグデータ等の革新的なデジタル技術を社会に浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革すること」を指します。
ビジネスでは、業務効率化や働き方改革、新たなビシネスモデルの生み出したり、
企業風土や環境の変革等、変化の激しい環境下、企業が競争優位性を保つためには必要不可欠と言えるでしょう。
IT化/デジタル化(デジタイゼーション/デジタライゼーション)とデジタルトランスフォーメションの違い |
・アナログ情報をデジタル化する局所的な「デジタイゼーション」(IT化)を行う
・プロセス全体もデジタル化する全域的な「デジタライゼーション」(IT化)で新たな価値を創造
・その結果として社会的な影響を生み出すのが「デジタルトランスフォーメーション」
DXとは「データやデジタル技術を駆使して、ビジネスに関わるすべての事柄に変革をもたらす」ことです。
つまり、データやデジタル技術の活用することにより
・今までになかった製品やサービス、ビジネスモデルを生み出す
・ビジネスプロセスを再構築し、既存ビジネスに生産性の向上・コスト削減・時間短縮をもたらす
・業務そのものを見直し、働き方に変革をもたらす
・上記を実現する土壌として企業の在り方自体を見直す
というように、DXはビジネス全体を根本から大きく変革することを意味します。
以下に、経済産業省からのレポートやガイドライン等について抜粋して紹介します。
”企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること”
(出典)経済産業省『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』
”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”
(出典)経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0』
”新型コロナウィルス(Covid-19)の世界的な流行により、企業を取り巻く環境が急激に不安定化した背景もあり、迅速な環境変化への対応やシステムのみならず企業文化も合わせて変革していくことを企業が取り組むべきDXの本質的な課題と捉えています。”
(出典)経済産業省『DXレポート2.1』
DXが注目される理由・・「2025年の崖」とは? |
日本企業の現状に危機感を抱いた経済産業省が発表したのが、「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」です。
このレポートの主旨は、
・既存基幹システムの老朽化に対して、デジタル市場の拡大とともにデータが膨れ上がる
・メインフレームの担い手の高齢化による世代交代の必要性(属人化、ブラックボックス化)
・テクノロジーの進化に伴う先端IT人材の不足
等、2025年を境に上記のような問題が企業の前に立ちはだかると言われています。
DXレポートの中で強調されているのが『2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要がある』ということです。もし、対策を取ることができずに放置してしまった場合は、下記のようなシナリオが想定されます。
・市場の変化に合わせて柔軟かつ迅速にビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になってしまう
・システムの維持管理費が高額化することで技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・継承が困難になる
・保守運用の担い手が不足することで、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失などのリスクが高まる
(出典)DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~/経済産業省
DXの推進にむけた企業の現状と課題 |
DXレポートでは、DX推進には
「新たなデジタル技術を活用して、どのようにビジネスを変革していくかの経営戦略そのものが不可欠である」と言われています。
しかし、DXの必要性に対する認識は高まっているものの、具体的な方向性に関しては模索中の企業が多いのも事実です。
先ずは、経営層を巻き込んで自社の経営戦略を固めることが重要でしょう。
また、DX推進に求められる、デジタル領域に精通し、
率先して事業を変革できる知見とスキルを所有している人材の不足が課題になる場合も増加傾向にあります。
DXまとめ |
言葉の意味としてのDX(デジタルトランスフォーメーション)は、
「進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革する」というものです。
人間社会が豊かになる革新をもたらす魅力的な発想ですが、ビジネスにおいては、近い将来、企業が解決すべき課題と認識されています。
変化の激しい時代の流れのなか、取り残されてしまうのか、技術の進歩とともに新しい時代の波に乗るか、
多くの企業にとっての分岐点となると思われます。
とは言っても、経営層や管理層だけのアクションだけでは、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。
先ずは経営戦略を固め、社内の理解や協力を得て、全体として取り組んでくことが大切です。